不動産営業マン 智樹です
僕は不動産の賃貸物件も取り扱いするし、売買物件の取り扱いもします
いわばオールマイティー営業マンです
なんてそんなかっこいい者ではありません、ダサいです
泥臭く、なんでもやるっていうスタイルです
そんな僕ですが、よく土地を売りたい相談を受けて、土地の査定の為の調査をします
土地の調査をすると、ぱっと見ただけでは分からない色んな事情が見えてくる事があります
あなたの所有地は売れる土地ですか?
売りたくても売る事ができない土地もあります
土地をたくさん持っているからといって安心していませんか?
今回は、土地についての話をします
この土地は売れない 農地
土地を売りたいと相談を受けて、調べていると
絶対に売れない
というか
特定の人しか買うことができない
という土地があります
それは....農地です
よくこんな相談があります
自分の親が農業をしていたけど、亡くなり、所有している土地(農地)を売りたい
その農地は農作をする人がいなくなった為、管理する負担が相続した人たちにのしかかり、誰かがお金を出して(または労力を費やして)維持していかなければいけなくなります
土地は放っておくと草は生えてくるし、除草の作業も一苦労です
荒れた農地をそのままにしていると、近隣から苦情が出る事もあります
だから土地を手放してしまおう、という流れになる事はよくあるし気持ちも分かります
農地の場合はまず僕たち不動産営業マンは、役所(農業委員会)でその農地が農地登録をされているかどうかを確認します
農地登録されている場合は、農業委員会へ農地転用の申請をして、農地転用の許可が下りれば、農地としてまたは住宅地としてその土地を売ることができます
ただの農地であれば、です
農地の種類によって、農業委員会で農業振興地などに指定されている場合は
農地転用ができません
農業振興地域(のうぎょうしんこうちいき)とは、市町村の農業振興地域整備計画により、農業を推進することが必要と定められた地域。農振(のうしん)と略される事が多い。
農業振興地域の農用地区域内の農地(いわゆる農振青地)では、農地以外での土地利用が厳しく制限されており、農地転用が許可されない。そのため、例えば都市計画法により市街化調整区域で建築できることとされている建築物であっても建築することができないし、市街化調整区域でよくみられる資材置場等としても利用することができない。これは、土地利用について、農振法と都市計画法でそれぞれ規制趣旨が異なることによる。
ウィキペディア(Wikipedia)
農業振興地域に指定されている場合は、農地転用が許可されません
ということは、宅地として売ることができません
管理が大変で農地を手放したいと言われる方は多いですが、まずはその農地が農業振興地でないかどうかに注意が必要です
また、農地の種類で第一種農地だった場合も、通常の住宅への転用は厳しいです
第一種農地は例外で農地転用ができる場合もありますが、基本的には第三者の住宅に供する土地では転用の許可はおりません
農業委員会で農地登録がされている場合は、たとえ農地として利用が無かったとしても、固定資産税が優遇されるなどのメリットがあります
なので遊休地を畑などの農地として登録している人は多いです
売る時には、農地かどうかきちんと確認しなければ、登記簿上が雑種地となっていて、現地が草むらだった時に、農地と気づかずにそのまま農地転用せずに売買をしてしまったとしたら、農地法違反となってしまうので注意です
この土地は売れない 道路がない
土地に建物を建てることができるかどうかは、
建築基準法で定められています
この建築基準法ができたのが昭和25年、内容がどんどん改正されて現在の内容になりました
今の建築基準法では、
道路に2m以上接していなければ、建物の建築をすることができません
ですが、すごく道が狭い場所に古い家が建っていることありますよね?
それは、接道についての法律が整備される前に建てられた家です
なので今現在家が建っている場所でも、必ずその場所に次も家を建てることができるとは限りません
建築基準法では、道路に2m接すると定めがありますが、これがまた厄介なんです
僕が今まで見てきた難しいケースを2つほど紹介します
ケース① 通路
例えば畑の農道のような道から入っていく土地があったとして、農道に土地が2m以上接していたとします
農道ですが、車の通行ができるとします
道路に2m接しているから、建物を建てることができるって思いますよね
でも、違うんです
建築基準法で言っている道路とは、建築基準法で道路と指定されている道の事を指します
国道や県道に接している土地なら、建築基準法上の道路に接している、と言えますが、微妙な通路なんかに土地が接している場合、その通路は道路なのかどうかは役所で調べてみないとわかりません
もし道路ではなかった時は、そのまま建物を建てることはできません
絶対に建物を建てることができないわけじゃないですが、とても大変な申請が必要となります
また、こんなケースもあります
ケース② 橋
市道などの立派な道路が土地の前面にあるんですが、土地とその市道の間に大きな溝があることがたまにあります
特に農業が盛んな地域では、農業用水路として利用されるような深い溝が道路脇にあり、溝蓋も何もされていない事があります(用水路で検索すると出てくるような溝)
ではその土地は2m以上の道路に接していると思いますか?
答えは、接していないのでこのままでは建物の建築ができないです
そんな時は道路と土地をつなぐ2m以上の橋(溝蓋)の設置で、接道を確保することができます
溝の上に鉄板を置く、などでは車や人の通行はできるかもしれませんが、道路に接しているとみなされないので、きちんと土地と道路が接するよう対処する必要があります
この土地は売れない 水道管が人のもの
土地に住宅を建てる時にただ土地だけがあればいいわけではないですよね
道路がすぐそばにあって土地に入れないといけないし、電気や水道が使えないといけない
排水できないといけない
最低限このあたりは必要だと思います
電気は基本的には電力会社が電線を引っ張ってくれるので、土地の近くに電柱があれば、電線を引っ張って土地で電気を使うことは難しいことではありません
また、水道も近くに家があれば、その家も水道を使っているだろうから、そこから引っ張れば・・・
って思いがちですが
水道は実はとても複雑です※地域差があるかもしれません
水道は役所が自分の敷地まで管を引っ張ってくれるわけじゃなくて、管が近くになければ自分で水道管を土地に引っ張る工事をしないといけません
水道管はだいたい道路の地中に埋まっているので、その工事をする為には、
道路を交通規制して、道路を掘って、自分の土地まで引っ張り、土地に止水栓を設置します
多くの人に迷惑がかかってしまうようなそんな大きな工事です
道路の交通規制の為に人員の配置も必要なので、お金もかかります
工事にはそれだけ大きな負担がかかります
だったらできるだけ近くにある水道管から自分の土地に管を引き込みしたいって思いますよね
でもそう簡単ではないんです
水道管は権利との考えが多く持たれています
というのも、昔、未開拓だった土地に一番初めに家を建てた人が、めちゃくちゃ遠くにある水道管の市の本管から自分の土地に何百万というお金をかけて、管を引っ張ってきている、という背景あったりすると
その後、その周辺に家を建てる人は、一番初めに家を建てた人が水道管を近くに引っ張ってきてくれているから、そこから水道管を自分の土地に引き込む方が安いですよね
なので、水道を引かせてもらえないか、と頼みます
でも一番初めに家を建てた人は、水道管にをそこまで持ってくるのに何百万とお金を使っている為、やっぱりタダで使わせるのは嫌ですよね
それで、水道を使わせる権利をお金で売る事もあります
もし、悪徳な業者が管の所有者だった場合には、その管から水道を自分の土地に引かせてもらう為に、何十万、何百万というお金を請求される場合もあります
だから僕たちは、土地が売れるかどうか査定する時には、必ず
上水道について調べます
水道管が近くになければ、家を建てる時には水道管の引き込みが必要となるので、お金が余分に必要となるから、土地代はその分安く査定させてもらうことになるし、
もし、近くの水道管が他人の所有物なら、そこから水道管の引き込みをさせてもらえるかどうかを、土地の所有者に確認してもらってからでないと売るのは難しいです
水は絶対に必要なので
土地を売る時、または買う時は、水道管が近くになかったり、他人の所有物の場合は注意が必要です
逆にメリットも
接道が無いケースは中古住宅を買いたいと思っている人にはちょっとしたメリットかもしれません
こんなケースもあります
例えば、土地まで道はあるけど、建築基準法上の道路じゃない道に接している古い家があるとします
その家は基本的には接道が無いので、更地にしてしまうと、建物を建てることができません
なので、その古い家を売る時は、値段がどうしても安くなってしまいます
そういった安い中古住宅を買って、リフォームして住めば、マイホームをかなり安く手に入れることができます
ただ、注意しないといけないのが、接道が無いからローンが組めないかもしれません
今まで僕が経験したケースで、50万円で、手持ち資金で中古住宅を購入した人がいました
それならかならメリット大きいと思います
この土地は売れない まとめ
土地を持っているとお金持ちのイメージがありますよね
でもその土地が負担となってしまうこともあります
自分は管理できるからと手広く不動産を取得していると、自分に万が一があった時に相続人が苦労する事もあります
土地をお持ちの方はぜひ一度、自分の土地がどんな土地なのか、どのくらい価値があるかを調べてみるといいと思います
何かの時に売れれば大丈夫、と保険のように思っていても、実際に売りたい時には売れないって事はありますので土地があるからと安心しないでください
土地を買いたい方は、
上下水道
が入っている土地なのかどうか
これによってかなり土地の価値が変わってくるので、それを踏まえた上で、高い土地なのか、安い土地なのか見極める材料にしてください
買って後悔しないように
それでは
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